コラムColumn
2021.04.10法人法務
育児・介護休暇の時間単位による取得(2021年1月制度改正)
2016年から始まった「働き方改革」の推進に伴い、労働関連分野の法律については、様々な改正が相次いでいます。今回は、2021年からすでに施行されている労働関連法の改正のうち、育児・介護休暇について、何回かに分けて解説していきます。
育児・介護休暇の時間単位による取得
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(育児・介護休業法)により、全ての雇用主は、労働者から求められた場合、一定の条件の下、育児・介護休業(一定期間仕事を休む場合)、育児・介護休暇(1日など短期間仕事を休む場合)の取得を認める必要があります。
育児・介護休暇については、1年度にそれぞれ5日(育児、介護が必要な者が2人以上いる場合は10日)取得することが可能です。なお、育児・介護休暇については、有給休暇とは異なり、休暇時間分を欠勤控除することは可能ですが、育児・介護休暇を取得したことを理由として不利益な扱いをすることは認められないため、皆勤手当や精勤手当の算定に当たっては出勤したものとみなす必要があります。
2021年1月1日からは、同法施行規則が改正され、これまで半日単位であった育児・介護休暇について、時間単位での取得が認められるようになりました(育児・介護休業法第16条の2第2項、第16条の5第2項、施行規則第30条、第40条)。時間単位での取得とは、遅刻や早退のように出勤時間を遅らせたり退勤時間を早めるだけでなく、例えば14時から16時まで途中2時間の中抜けをするといった形での取得も認めなければなりません。
育児・介護休暇については、就業規則の定めがない場合でも法律の規定が強制適用となりますが、就業規則に具体的に規定することで、従業員に規定を周知し、従業員から取得希望があった場合に備えることが必要です。
就業規則の改正についてもご相談ください
労働関連法規が毎年のように改正される中、就業規則についても、法令に適合した状態に維持するためのメンテナンスが必要です。当事務所の労務顧問弁護士サービスをご利用いただいた場合、ご契約時に就業規則の内容をご確認させて頂き、法令の改正に併せ、必要な就業規則や雇用契約書の変更をサポートさせて頂くことが可能です。労働・労務問題に関する相談サービスを含む労務顧問弁護士サービスについては、当事務所までお問い合わせください。